京都まちあるき、境界、辻

§4 未来都市論  未来を怖れる民族と、未来に楽観的な民族

1 未来は光の操作のなかにある

@ ココン烏丸(四条烏丸)
隈氏による改修。私はつまらないと思う。ファサードを看板にしただけ。このパターンが変化するなら面白いのだが。風呂敷の模様を建物の壁にして光らせて何が面白いのだろうか。 ポストモダンの悪弊が抜けていないな。

A KKLHビル(中京区)
無名の人の建物だが、こちらの方が発見が多い。スリットの背後にある、なんの変哲もない屋外階段を照明でオブジェ化している。偶然だろうが、こういう使い方もあるのだと、エライ建築家のつまらない建物より勉強になる。

B 日コンビル(烏丸御池)
うって変わって組織設計事務所の建物。面白くもなんともないが、写真がきれにとれた。

cocon karasuma
KKLHビル
日コンビル

2 踏み入れてはいけない未来

フランケンシュタイン・コンプレックスという言葉をご存じであろうか。西洋人は神の領域に人間が手を出すことで罰を受けるというトラウマめいた意識がある。フランケンシュタイン博士は、生命の創造という神の領域を侵したために、自分が作った怪物に殺されるという悲劇に遭う。

反面、日本人にこうした意識はない。未来や科学に楽観的なのだ。原発もそうした楽観性と、権力者の利権が生み出した悲劇なのかもしれない。

ゲートタワービル
祇園夜景