京都 まちあるき ガイド

空間に対する感性

過去の学生作品例

§  京都まちあるき練習帖 、浜田邦裕著、昭和堂

1 境界論 (1章からの抜粋)

「都市を探索する手法の一つは、「境界」を意識することである。

大都市に住んでいる人は、どこからどこまでが東京などと考えても意味がないと思う。東京はどこまで行っても東京にしか見えないからである。

しかし、田舎に行けば事情は違う。集落から離れるにつれて、家は少なくなり、やがて山しかなくなる。…

境界は、いろいろな歴史がつまった、都市を読み解くパワー・スポットなのである。」

2 地霊論 (2章からの抜粋)

「幽霊、亡霊、音量、妖怪、物の怪、あるいは単純にお化け。これらが実在するか否かという議論に参加する気はない。が、文化を構成する重要な要素であることは疑う余地がない。 ところで、霊的な物語は、場所に付随していることが多い。薄暗いトンネル、真っ暗な池、奇怪な形をした岩・樹木など、場所を基盤とする。多くの場合、霊的な物語を合わせ持つ。 」

3 セカイ論 (3章からの抜粋)

「京都文化人と言われる学者がいる。…彼らをはぐくんだのが京都大学だが、彼らのようなキャラクターが、自由な学問風土ゆえにうまれたとする俗説は間違っている。というのも、京都人というのはじつに性格が悪いのである。その証拠に、京大ほど教授陣内部の抗争・ゴシップに事欠かない大学はない。 これらの異才たちは京大でいじめられていたために、独自の世界を築かざるをえなかった鬼っ子なのである。 」

4 未来都市論 (4章からの抜粋)

「テクノロジーの進歩はあまりにはやいので、夢のマシンがあっという間に陳腐化することも珍しくない。 マンガ・映画の未来都市では、超高層ビルや空飛ぶ車、巨大スクリーンが「お約束」として登場する。こうした物も具体物ではなく、抽象的な要素としてみれば、視点は違ってくる。 たとえば、現代建築のキーワードとして「透明性」がある… 」

5 廃墟論 (5章からの抜粋)

「なぜ、朽ちた建物や煤煙をまきあげる工場に、普通の人がポジティブな興味を抱くのであろうか。公害問題がはなやかだった時代には攻撃の対象だった。だが、既視感と言ったように、廃墟への関心は、歴史のなかでくり返し登場する美学なのである…」

6 視線論 (6章からの抜粋)

「秘密基地を成り立たせる確心部分は基地にではなく、秘密にある。基地は秘密を成立させるための設定にすぎない。秘密基地は、都市伝説のようにウソか本当かわからないゴシップとして、物語を勝手に膨らませていく。 重要なのは「視線」の操作である…」

7 ご当地ソング

場所のレトリック

8 移動建築論

 『ハウルの動く城』、変容、仮設、ノマド

10 地図にない街

悪場所、遊園地、エスニック・タウン、性の場所